i0kyoto’s diary

Creator Pro・Fusion360・ルアー・Co2レーザー

3Dプリンターでのルアー製作注意ポイント3つ

こんにちは。
少しルアー製作も落ち着いたので、ここまでのトラブルをまとめておきたいと思います。
約半年間の経験では以下の3つがポイントだと思っています。

1.3DCADのルアー設計で気をつけること
2.積層式プリンター出力で気をつけること
3.プリント後のルアー製作の注意事項


1.3DCADのルアー設計で気をつけること
 ABSは若干縮むことを想定して寸法の決定・デザインをしなければ
ならない。自分の3Dプリンター置き場が寒い場所だったので、縮小率は
7%の時もありました。
 これに伴って起こったトラブルは:
・ヒートンの穴が狭くなり、ルーターで作業する手間があった。
・肉厚が薄くなって、ルアーが浸水したことがあった。

 対策としては:
・実質寸法よりも5%設計段階で大きく取る。
・ウェイト穴やヒートン穴は十分な肉厚を残しておく。
・防水対策は十分にしておく。

最後の対策は3Dプリント出力では馴染みがない方法かもしれません。

下の図は、トラブルが起こったルアーの断面図です。
ダメな点はウェイトルームとリップ・ヒートン穴が近すぎる。
ウェイトルームと空洞部分が薄すぎる。後者は致命的な不具合で
少しでもウェイトルームに水が入ると徐々に内部に水が溜まっていきます。
インフィル100%にしていても、壁は薄い網目状になってるので水が浸透します。

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修正版がこちら
空洞部分は肉厚を厚め・可能な限り均等に変更しました。

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2.積層式プリンター出力で気をつけること
積層式プリンターは繊維を下から積み上げていきます。なので、製作物の
出力方向によって得意不得意があるようです。

■背中・腹をボトムに配置した場合
 ・外形は比較的きれい
 ・サポート材を大量
 ・造形時間4時間~6時間
■頭・尻をしたにした場合
 ・サポート材の量は少なめ
 ・造形時間2時間~2.5時間
 ・出力失敗のリスクがある

 テストしたところ、全長7cmまでなら頭・尻を下にした方が良いみたいです。
全長10cm以上(自分のルアーはほとんどこれ)の場合は背中・腹を下に
して出力した方が良いようです。
 でも、サポート材や配置角度の工夫で今後変わるかもしれません。
この辺りはまだ試行錯誤中です。

3.プリント後のルアー製作の注意事項
 最初の頃はプリントしたルアーはコーティングなしで水に浮かべてました。
スイムテストの最初10分はいいんですが、20分、30分と続けると徐々に
浮き上がる時間が長くなっていって、最後はシンキングになってしまいます。
見た感じはつるつるでも、積層式なのと温度変化でひっぱられる部分が
あるようです。(勝手に想像してます)
なので、カラーリングする・しないに関わらず防水対策はしっかりとする
必要があります。
 ・セルロースセメントでディッピングを3回
 ・ウェイトルームの穴埋めは防水用パテを使用
 ・カラーリングする場合はエポキシ樹脂で重ね塗り
上記3点をすることでいまのところ防水対策は出来ています。
ウェイトルームの穴埋めは当初グルーガンでやってましたが、密封しにくい
のとやすりかけ後の仕上げがいま一つなので辞めました。
コスト的には魅力なので、時間と工夫でうまくいくかも・・・・

情報がまとまったら、また報告したいと思います。